2005年07月24日

名作「セロ弾きのゴーシュ」

セロ弾きのゴーシュ.bmp
 ベートーベン第六交響曲「田園」。この曲を聴くと今でも脳裏にはっきりと浮かび上がる映像があります。
 
そのタイトルは「セロ弾きのゴーシュ」

 1982年に公開されたアニメーション作品です。
 この作品、原作はかの有名な「宮沢賢治」。詩人であり童話作家でもある彼の代表作の一つです。
 現在、アニメーション制作には多大な費用と人員を必要とするため、代理店や配給会社の資金提供を受けて制作されるのが一般的ですが、売れるため、視聴率を伸ばすために制約の中でがんじがらめになりながら使い捨て的な作品が量産されてるのが現状です。その状況を憂いだ制作者達が、より良い、水準の高い作品を世に出したい、 その一念で作り上げた作品が「セロ弾きのゴーシュ」なのです。
 したがってこの作品は(自主制作)となります。少ない予算と仕事の合間を縫って時間をかけてコツコツと作り上げ、六年近い歳月を費やして制作されました。まさにアニメーションを心から愛する人々の血と、汗と、涙の結晶です。
 監督は「高畑勲」。「太陽の王子ホルスの大冒険」「パンダコパンダ」「アルプスの少女ハイジ」「火垂るの墓」など、名作アニメーションを数多く手掛けてきた日本のアニメ界を代表する監督です。
 作画・キャラクターデザインは「才田俊次」。「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」「火垂るの墓」などの原画を担当し、実力には定評があり、また楽器演奏の描写という難題に、セロ(チェロ)の奏法まで学び、見事にこれを表現しています。
 美術は、故・「椋尾篁」。「銀河鉄道999」「幻魔大戦」「母をたずねて三千里」などの美術監督を手掛け、1992年6月9日、癌により死去。享年54歳でした。(ムクオスタジオ)を設立し、「窪田忠雄」「田尻健一」その他大勢の一流背景家を育て上げた、日本のアニメ界における美術監督の第一人者でした。
 そして、それらの人材をまとめ上げ、制作に当たったのは、当時、作画専門の小さなプロダクション「オープロダクション」の代表取締役社長「村田耕一」。この人が居なかったら、この名作は存在しなかったと言っても過言ではないでしょう。
 配給会社の協力がなかったこの作品、自主上映と言う事になり、福岡では「九州映画センター」が上映に関する一切を請け負っていました。私も、そこのスタッフの方と交流があり、センターが企画した〔セロ弾きのゴーシュ福岡上映を成功させる会〕の代表として日夜奔走しておりました。ポスター貼りや各プレイガイドへの依頼、才田俊次さんや椋尾篁さんを招いてのイベントなど、友人、後輩などに協力を願い、何とか各市民センターやホールでの集客を確保出来ました。(当時お世話になった「九州映画センター」の武井さん、ありがとうございました)。
 大人から子供まで全ての人に楽しんでもらえる「セロ弾きのゴーシュ」。ビデオ、DVDで出ておりますので是非、一度観ては如何でしょうか。おすすめです。
 ちなみに、上記のイベント、今はもう無くなった福岡の予備校「水城学園」の教室を借りて行われたのですが、その時才田、椋尾両名で合作されたイラスト《模造紙サイズ》、ゴーシュとネコの向かい合ったシーンなのですが、直筆のそのイラスト、記念にまだ我が家に保存しています。今、はっきり言ってお宝かも。
posted by 矢島桐人 at 00:55| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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